東北地方の北部に位置する岩手県北上市。
市の中央部を大河北上川が北から南へと流れ、川の東側には桜の名所、展勝地があります。
その桜並木から東へ五百メートルの高台にある、築九十年の古民家が再築されました。
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渡邊さんご一家
ご主人 昭夫さん(68歳)農業
奥様 末子さん(68歳)専業主婦
お嬢様 麻子さん(42歳)公務員
娘婿様 文克さん(45歳)会社員
お孫様 宇杏くん(10歳)小学生
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[wc_highlight color=”blue”]古民家再築のきっかけ[/wc_highlight]
この家は、昭夫さんの曾祖父様が建てた家です。最初はかやぶき屋根でしたが、五十年前にトタン屋根に改修しました。
「子どもの頃は囲炉裏があり、自在鉤に鍋や鉄瓶が掛けてありました。煙が目に入って痛かったことを覚えています……」
しかし、娘さん夫婦、お孫さんとの三世代暮らしのために、より良い家に建て直したいという想いが生まれました。
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[wc_highlight color=”blue”]強い古材を活かす[/wc_highlight]
渡邊邸を調べてみると、構造材のほとんどがまだしっかりしていたため、居間・座敷部分の間取りは昔のままに、柱・梁を再利用することにしました。
一部が残るとはいえ、この姿を見るのは最後となります。昭夫さんも末子さんも、家を見てそれぞれ懐かしい思い出をかみしめていらっしゃいました。
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建築中の想いをうかがうと、「古材使用のため、大工さんがひとつひとつ手作業で丁寧に仕事をするところが見られたため、安心して住める家が出来ると思った」とのことでした。
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今の建物には無いような太い柱や梁の再利用は、雰囲気作りにとても有効でした。昭夫さんは「子どもの頃から見慣れた柱や建具が使われており、違和感なく暮らせるところが良い」とおっしゃいます。
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「外から見ると現代風に見えますが、中に入ると古民家らしさがあり、そのギャップが良いです。薪ストーブも設置しましたので、今後は母屋の近くに薪棚を作りたいと思っています。二階の窓の上の屋根が勾配が緩いため、雪が積もってしまうことが悩みです」と昭夫さん。
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「まだ使える古材を捨ててしまうのはもったいないです。使えるものは、次に活かしてつないでいったほうが良い」と昭夫さん。想いも資源も活かせる再築。もし古民家の解体をお考えの方は、一部を次に活かす方法も検討してみてはいかがでしょうか。
北上市こんなとこ
○夏油温泉○
北上市は岩手県南西部に位置する人口約九万人超を擁する市。
北上市街から山の中の一本道(岩手県道一二二号)を渓谷沿いに車で一時間ほど上ったところには、夏油温泉と呼ばれる静かな温泉がある。交通の不便さから秘湯のひとつに挙げられる場合が多い。営業期間は夏(五月初旬~十一月中旬)のみ。
伝統再築士 菊池一彦さんより
生まれ育った古民家の殆どを思い出と共に移築再生した住宅です。最新の設備(デジタル)と薪スト-ブ(アナログ)を設置しましたが東日本大震災の時は停電でも薪ストーブが大活躍しました。最新の設備に興味がいきがちですが昔からの設備も古材と共に大事だと感じます。
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