江戸時代後期より続く由緒ある旧家の邸宅が、長らく空き家となってから約4年が経過しました。かつては「花菱」という銘柄で酒造りを営んでいた造り酒屋であり、その歴史は地域の文化や産業とも深く結びついています。酒造業としてはすでに30年以上前に幕を閉じておりますが、現在この土地と建物は、新たな活用を望まれながら静かにその時を待っています。

築110年以上という貴重な伝統建築のため、当初は解体の可能性も検討されましたが、歴史的価値や地域とのつながりを重視し、次世代へ受け継ぐかたちでの再生活用が望まれています。

活用方法としては、以下のようなアイデアが挙げられます。

・風情ある空間を活かしたゲストハウス
・飲食店と住居を兼ねた店舗住宅
・高齢者向けのデイサービス施設
・児童のための放課後デイサービス

この邸宅が、地域の交流拠点や観光資源として新たな価値を生み出すことが期待されています。

現地周辺にはかつての宿場町の面影が残っており、戦国時代末期に整備された「太閤道路(唐津往還道路)」沿いの中心地に位置することも確認されました。
多久市の教育委員会や郷土資料館からも、この地区を佐賀県遺産として保存していきたいという想いが語られており、白壁の街並みとともに、貴重な歴史の証人とも言えるこの建物が、地域の未来へとつながるよう活かされることを願っています。


土間スペースは、 大きな柱が目立つ 大空間になっています。 また、数寄屋造りのため、 全ての部屋をつなげることも可能です。 2階部分は、古民家特有の 中2階建てになっております。 2階から、土間スペースを望める 旧家らしい創りになっております。 本宅裏には、大きな作業空間もあります。和室も本間造で、 リフォーム・リノベーションを 行えば、有効活用できる 可能性が高いです。 また、離れがあるため、 店舗と住居を分けるなど、 用途利用を色々と考えられる 可能性があります。