新しい家はいつでも建てられる。この家は無くしたら二度と取り戻せない

大下さんご一家
ご主人 修次さん(38歳 会社員)
奥様  祥子さん(38歳 専業主婦)
お子様 咲羽(さわ)ちゃん(10歳 小学校5年生)
咲良(さくら)ちゃん(7歳 小学校2年生)

 
 
本州の最西端に位置する山口県下関市。人口約28万人、年間六百万人の観光客が訪れる自然と歴史と人が織りなす交流都市。

そんな下関にある築80年の古民家。構想二年を経て再築されたこの古民家に暮らしている、古き良きものを愛する大下さんご家族にお話を伺いました。

 

古民家暮らしのきっかけ

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大下さんご一家は、かつてマンションにお住まいでした。しかし、もっと子ども達がのびのびと生活できる家が欲しいと考えていたそうです。

そんなとき、修次さんのお母様のご実家を譲ってくれるという話があり古民家に住むという選択肢が誕生しました。

 

古民家に住むまで

奥様の祥子さんのお話では、まず銀行ローンの問題に困ったそうです。「主人の祖父が、主人にこの建物を遺贈したいと言ってくれたので、この家の再築 を考えはじめました。でも、銀行ローンを組む際に、建物を主人名義にすることや、土地の名義人である主人の祖母に保証人になって貰うことが必要でした。主 人の祖母は、寝たきりになってしまっていたので…再築費用のためのローンを組むことができなかったんです」

ここで、一時計画もストップ。なかなか前に進めなくなりました。

その後、修次さんのお婆様が亡くなり、修次さんのお母様が土地と建物を相続しました。

「建物を主人に贈与してもらい、土地の保証人にもなってもらうことで、銀行のローンもやっと組むことが出来ました」

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祥子さんは、当時のことをこんな風に思い出します。

「古民家に住むということ自体には抵抗は無かったのですが、住宅について色々なことを調べる中で、新築のプランや物件を見ていると、正直、新築に大きく気持ちが傾いた時期もありました。

しかし、『新しい家はいつでも建てることができるけれど、この家を無くしたら二度と取り戻せない……』

そう思うと、古民家の再築に対する想いが強まりました」

そして、昨年12月。工事が終わり、ここでの暮らしがスタートしました。

ここは鬼ごっこもかくれんぼもできるおうち

 

この家に住んで良かったこと

「子ども達が本当にのびのびと生活できるのが良かったです。今までのマンション暮らしに比べて、広々としている生活は心が豊かになる気がします。家中を回遊できる作りも気に入っています」と、祥子さん。

次女の咲良ちゃん(7歳)も、「この家は鬼ごっこやかくれんぼ、広いから走り回れる!」と笑顔で答えてくれました。

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困っていること

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「困っていることですか。まだ、生活を始めて間もないので、この家での春夏秋冬を味わってはいないのですが……もちろん、冬は寒かったです。でも、結露も 一切なく、快適に過ごせました。それから、敷地が広いので、これからの季節は……雑草などの処理が不安で仕方ありません(笑)あとは、出来るだけ空間を大 切にしたかったので、収納が少なくなってしまったのが少し困っているところです」

 

これからしたいこと

大下さんのお宅の庭には、蔵が一棟ありました。

「今は物置となっていますが、次は蔵を再築したいという夢を持っています。この家もそうなのですが、人が集まれるような空間を創り、いずれはお店なんかが出来ればいいなと考えています」と、これからの素敵な夢を話してくださいました。

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古民家を再築して住もうと思っている方へ

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古民家再築を考えている方にとって先輩である大下さんたち。これから古民家再築をされる方へ、一言お願いしました。

「人それぞれ、価 値観は違うと思うので偉そうなことは言えませんが、私の場合は、自分たちの想いをしっかり話し合って伝えることと、イメージの写真や雑誌など、気に入った ものを見せ参考にしてもらうこと。これが大事だったように思います」好きなイメージや残したい部分を、施工担当の方とじっくり話し合うことが大切、とのこ とでした。

「イメージを具体的に伝えることで、自分で思っていたよりさらに良い提案をしてもらえることもありました。おかげで、当初の想像以上の仕上がりになり、感動と感謝をしています」

 

古民家を活かして、理想の住まいに変えた大下さん。そんな想いのこもった再築を一番喜んでいるのは、他でもない、この家なのかもしれません。

 

大下様邸DATA

平成24年3月に第1回目の図面を制作
平成25年5月に工事見積提示
平成25年6月より工事開始
平成25年12月20日竣工
総工費:1,600万円
銀行借入:1,500万円