桃沢さんご一家

  ご主人 裕幸さん(65歳)

 奥様 洋子さん(63歳)

 ペット カンちゃん(メス)

 

豊かな資源と風光明媚な日本海に面した富山県富山市。

三千メートル級の山々が連なる立山連峰を背に、広がる田園地帯の中にその建物があります。

築百十年の古民家。先人たちの技が随所に光る富山県独自の建築、アズマダチ(吾妻建ち)の家です。そこに、桃沢さんご夫妻と飼い犬のカンちゃんが住んでいます。

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古民家暮らしのきっかけ

神奈川県横浜市にお住まいだった桃沢さんご夫妻。ご主人の裕幸さんは映画関係のお仕事をされ、奥様の洋子さんは外資系メーカーにお勤めでした。

 

お二人は数年前から、定年退職後の暮らし方を考え始めていました。気持ちのいい環境で暮らしたいということが大前提でしたが、新しい事に挑戦する、趣味の幅を広げる、そして少しだけ人の手助けをしたいという思いから、田舎の古民家に移住しようと計画をスタートしました。

移住先は奥様の故郷 富山県に決め、家を建てるための土地を探し始めました。

移住した先では農業をしようと思っていたのですが、新規に農地を取得するのはとても難しいことが分かりました。そこで、農地付きの既存物件を探すことにしました。

 

移住しての想い

桃沢さんたちが選んだのは、アズマダチという富山らしい古民家でした。約一年半をかけて改装し、念願の富山暮らしがスタート。

移住してから、日々の生活ストレスを感じることはほとんどないそうです。日の出と共に働き始め、展覧会やコンサートにふらっと出かけ、帰ってからもう一働き。時間に追われない豊かさを実感されています。

「『なぜそんな歳で移住を?』と、よく言われたが、やることが山のようにある毎日は、少しも遅いとは思わない。新しいことを覚える楽しさと緊張感で、今までと違った生き方に気づかされて、むしろ感動的ですらある」と桃沢さん。

桃沢さんの富山でお気に入りの場所は牛岳周辺。よく散策をされているそうです。

 

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準備中の想い

「明るく大胆な改装もいいのだが、古民家は地域の人々が建てた宝。大切に受け継ぐ責務がある。暗く寒いと言われても、古民家の良さを伝える何かを残さねばという想いが常にあった」そのため、特に外観の改装にはかなり気を使ったそうです。

これからしたいこと

これからの夢を尋ねると、富山県にある二十数戸の小さい村の話をしてくれました。「この中の数人が完全有機農法 で稲作に励んでいる。自分で肥料を作ったり、株の作付けを減らしたりとこだわりぬいた作り方だ。中心となっている人は六十五才を越えている」こんな生き方 をしたい、と語ってくれました。

 

移住してみたい方へ

移住を考えている方へアドバイスをお願いすると、「大胆に挑戦してみればいいと思う。もとより地域にとけこもうとする努力は必要だと思うが、その姿を見て手を差し伸べてくれる人が必ずいる」と話してくれました。

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田舎暮らしスタートへの道のり

2008年 長野、山梨、石川、富山など各地を巡る。

2010年 移住先を富山県に絞り、土地探しを開始。

2011年 農地の取得をするのは困難とわかり、農地付きの既存物件を探すことに。

2012年2月 古民家取得、工務店の選定。

2014年6月 約1年半をかけて改装が完成。

 

 

アヅマダチとは

富山県西部に多い屋根の形で、切妻の妻面を東に向け、瓦屋根の大屋根形式です。漆塗りの太い束と梁を格子状に組み、ひと升に1~2枚の大貫を入れ、白壁で仕上げます。

幅の広い破風板が、斜めに大きく切り下がる造形となります。