東京の大学で出会った三人は、周りの学生が就職活動を始める時期に、ゲストハウス事業を興すことを決意した。

「自分たちが生きている世の中は、戦後焼け野原だった日本をたくさんの人びとが汗水流して再建してきたもの。その中で自分たちは何不自由なく暮らしてきたけど、自分たちも同じように一から何かを作れるんだってことを証明したかったんです」広報担当の木村さんはこう語る。

 

そして、三人で貯めたバイト代300万円だけを手に、2014年4月に札幌に移住。メンバーの河嶋さん・柴田さんは北海道出身だったが、それでも慣れないことばかり。最初の数週間は、ただひたすら市内を歩き回って、自分たちのゲストハウスにふさわしい物件を探して歩いた。

すると、高齢化とともに主を失った空き家が、街中に点在していることに気が付いた。

「空き家が増えることは、灯りのついていない建物が増えることで、街がどんどん暗くなってしまうんですよね。それってすごく寂しいことだなと思って」代表の河嶋さんは、古民家を再利用することへの強い想いをこう語ってくれた。

最 終的に三人がたどり着いた物件は、豊平区にある築およそ五十年の古民家。一階には、二十三年間営業を続けるスナック『香木』が入っており、毎晩地元の人び とが深夜まで酒を飲み明かしている。ここにゲストハウスをつくることで、世代や国境を越えてお酒を酌み交わしながら話すことができる『居場所』を作れると 考えている。

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改装作業中sapporo

ゲストハウスのキーワードは『ふるさと』。彼らにとって『ふるさと』とは、記憶に残る人と場所だという。「楽しかった体験とか、安心できる時間を提供でき る場所作りをしていきたい」とマネージャーの柴田さんは言う。札幌の魅力を伝える地元密着ツアーや、宿泊者と地元の人で一つの鍋をつつく『石狩鍋ナイト』 などの企画も行う予定だ。

最初はたった三人で始めた事業だったが、今では札幌で出会ったたくさんの人びとの力を借りて、九月のオープンを目指している。壁の内側や屋根の老朽化など、古民家ならではの課題を多く抱えているが、「まずは一つずつ丁寧に修復をしていきたい」と語る声音は明るい。

「ただ泊まるだけの宿じゃなくて、いつでも帰ってこられる第二の家をつくりたいです」

札幌に古民家を再利用した新しいふるさとができる日は、そう遠くない。

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その後の彼らの夢がどうなったのか?

2015年7月発行のジャパトラ8月号に掲載されています。

気になる方は ジャパトラ でチェックしてみてください!

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依頼主合同会社Staylink
札幌ふるさとゲストハウス 和家
住所北海道